オペルクリカリア パキプス(Operculicarya pachypus) ベアルートからの水耕発根管理。そして、失敗の巻。(2019.04.30)

平成から令和に変わるということで、現在、世間はその話題で持ちきりです。

それはそれで重要ですが、塊根植物ファンの中では、マダガスカルからの植物の輸出規制の話題もかなり盛り上がっているようです。

マダガスカルの政権が今年の初めに変わったことに端を発しているようで、マダガスカル政府が動植物を一切輸出しないということらしいですが、実際これからどのようになるのか、わからないですよね。
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マダガスカル植物は僕も好きなので、今回はマダガスカル植物にちなんだこの記事です。

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昨年、Operculicarya pachypus(オペルクリカリア・パキプス / 以下、パキプス)をベアルートの状態からの発根にチャレンジしてみました。

パキプスは、現在の植物ブーム(塊根など)の中でも非常に人気な種類です。

しかし、活着している株をショップなどで買うとすごく高いです。

10万〜20万とか平気でします。現在は、輸入規制の話で相場も少し上がりそうな雰囲気です。

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↓パキプスのベアルート株。(ベアルート株とは植物検疫の関係で、輸入時に土が除去された根なしの状態の植物のことです。)

タイトルからして、もうネタバレなんですが。

早い話が失敗しましたね。

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というのもパキプスは再発根がとても難しいのです。

パキプスが高価な理由として、ベアルートの状態から再度日本で植え付けをして再発根して生きるという可能性が低めだからです。

1,2割くらいしか生き残らないという話もありますよね。

まあ、1,2割というのは、その時の輸入の状況や気候条件など、様々な要因が関係してくるので、一概にそうとも言えなそうとは思うのですが。

また、パキプスの原産国のマダガスカルは南半球で、日本は北半球になるので、季節が逆になります。

輸入するタイミングなんかも株のコンディションに関係してきそうです。

活着率が低いというのは、パキプスだけに限ったことではなく、やはり潅木系の植物、人気がある種あたりでは、コミフォラ(commiphora)ブルセラ(Bursera)ボスウェリア(Boswellia)センナ(Senna)デロニクス(Delonix)なども同様に活着率が低い気がします。

塊根型のパキポディウム(Pachypodium)や、ユーフォルビア(Euphorbia)など他にもたくさんありますが、そう言った貯水機能に長けている種類は水切れで枯れることは少ないですが、その分、傷口に菌が入ると腐りやすいです。

パキプスはその両者の中間、潅木寄りの位置付けな気がします。

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パキプスが難しいと言われる原因の一つとして、パワータンク問題があると思います。

通称パワータンクとは、地中深くに埋まったパキプスの太い根のことです。

パキプスを山から掘るときにパワータンクごと切られてしまうから、枯れてしまうのではないかという説です。

確かにそうなのかもしれませんが、逆にパワータンクがついてたら、ものすごく長いんじゃないかって思うのですが、実際はどうなんでしょうね。

パキプスのベアルート株をいろいろ見ていると、パワータンクを切った状態でも、ロングポット(長いプラ鉢)にギリギリ入るくらいの株もざらにある感じがします。

パワータンクが途中でぶった切られている株もよくありますが、パワータンク部分は、細い主根の部分よりも多肉質なので、そこが腐りやすい気がします。

中途半端にパワータンクが半分付いている株なら、いっそない株の方がいいのかもしれません。

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今回やってみたのは、SNS上でも度々見かける水耕栽培による発根方法です。

水耕栽培と言ってしまうと、水でずっと育てる感じなので、それよりは少し発根させるまでは水耕栽培で、根がいい感じで出たら土に切り替える方向です。

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水耕栽培はサボテンでも行われる発根方法ですが、根は水に適した根が出てしまい、土での根とは違うという話も以前調べている時に見た事があります。実際その辺はどうなんでしょう。

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ちなみにうちにもサボテンの水耕栽培があります。たまに水を変えるだけで意外と大丈夫なんですね。長い間、水耕で育てていますが、一時期、水換えが面倒になったりした時があり、よろしくないバイラスがサボテン内に入ってしまったのではと思っています。

根っこに藻が発生していて、黒っぽく覆われています。ただ、この水耕栽培をやって思うのは、根ってずっと水につかってても、水に酸素がある状態であれば、根腐れはしないんだ。ということがわかります。根腐れについて考えるときの参考にもあるので、このサボテンを水耕栽培のままでずっと管理しています。

藻に覆われても、次第に新しい根でアタックしています。これはこれで勉強になります。


さて、話はだいぶそれましたが、パキプスの当初の感じです。。

幹肌はところどころ緑がかっていて、生きていそうです。

幹肌が緑がかっているから=100%発根するということはないと思います。

ただ、緑味が失われている株よりは、緑がある幹の株のほうが断然良いですよね。

葉も少しある感じです。

葉っぱがついていても、株がベアルートになった時点で、植物はストレスを感じて休眠の方向になると思うので、発根に成功するにしても失敗するにしても、一度落葉するはずです。

葉っぱが残っているというのは、最近まで葉が茂っていたという目安にもなりそうです。

水耕栽培に際して、丁度いい容器ないかなと探していると、2Lのミネラルウォーターの空ペットボトルが適していると思いました。上部をカッターで切ったものです。

ちなみにペットボトルもいろいろな銘柄を試してみましたが、僕が気に入った強度のペットボトルは、財宝というミネラルウォーターです。

財宝(Amazonへリンク)

もちろん水自体も美味しいですが、ペットボトルがグニャグニャしてなくてしっかりしているので、二次使用する容器としても良い印象を持っています。

底には水を浄化する、ミリオンや、竹炭をわずかに入れました。

ミリオン(Amazonへリンク)
竹炭(Amazonへリンク)

温度はぬるま湯で、冷たい水にはしませんでした。

水交換の時には、株全体にもぬるま湯をかけました。株への霧吹きも欠かしませんでした。

こういう神頼み的なものにはこれがいいのかなと思って、こちらの商品を始めて購入してみました。

HB-101です。

HB-101(Amazonへリンク)

僕はいつもは、発根剤は、オキシベロンやCLONEXを使っていますが、それらを室内で使うのはなんとなく抵抗があったので、こちらにしました。

HB-101は発根剤ではないんですけどね。

樹木などから抽出した天然の成分が入っていると思いました。なので体に害もなかったんじゃないかと記憶しています。

あと、針葉樹林のような香りが個人的には好きです。アロマ的な側面もあるかもしれません。

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次のページでは、実際どんな感じでパキプスがダメになったのかが出てきます。

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