アラビアといえは、Kaj Franck(カイ・フランク)も避けて通れない偉大な巨匠ですが、なんと作品の写真を撮ってませんでした。
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カイ・フランクはティーマの前身であるキルタのデザイナーです。
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キルタが画期的だったのは、当時の装飾的なカップアンドソーサーのセットという考えを廃し、カップとソーサーが独立した食器として別々にもできるし、合わせて使うこともできる設計にしたことです。
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↓こちらの本のカイ・フランク / キルタの項によると、「ディナーセットを玉砕せよ!」という過激なコンセプトからキルタが生まれたそうです。
当時は食器をディナーセットとして12セットで揃えるのが習慣だったそうです。ディナーセットを一式で揃えるのではなく、足りないものを買い足して組み合わせも自由にできるという、現代から考えると普通のことに思えますが、当時ではありえなかったそんな価値観を提案したのです。
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その合理的なコンセプトは、フィンランドの敗戦の歴史を抜きには語ることができないようです。
以前、近代のフィンランドの戦争史を調べたのですが、敗戦から戦後の復興にかけてとても大変な思いをしたのだということを知りました。
戦争の歴史なので、面白いと言ったら良くないかもしれませんが、現在の魅力あるフィンランドという国がどういった経緯で現在に至るのか、そして素晴らしいプロダクトが生まれた背景が少しでもわかる気がしましたので、興味がある方は是非、調べてみてください。wikiをリンクしておきます。
ちなみに第二次大戦中もアラビアの工場は稼働し続け、かなりの製品を輸出していたそうです。なんだか考えられないですね。
1階のショップでは、こちらの施設でのみ買える限定品というものもありましたが、柄が好みではなかったため、今回は何も購入しませんでした。
アウトレットではなくなったというだけあって、価格は特に安くもないです。
日本で買うのと同じか、わずかに安いくらいです。
こちらがまだ工場として機能していた時には、工場見学もできたようですが、現在は終了。
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フィンランドデザインを知る上で、アラビアはとても重要なので、行っておいて損はないと思います。
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Arabia factory (アラビア ファクトリー)
住所: Hämeentie 135, 00560 Helsinki, Finland
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ヘルシンキの中心に戻り、ストックマンに行った時に、うちの奥さんが発見した巨大陶板。
上記のアラビアのミュージアムにあった、パラティッシの柄のデザイナーでもあるBirger Kaipiainen(ビルガー・カイピアイネン)大先生によるもの。
僕はこの頃あまりカイピアイネンについてよく知らなかったので、今となってはもっとちゃんと見ておけば良かったと悔やまれます。今だったらもっと寄りの写真をたくさん撮ったことだろうと思います。
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そして、お次は夜のスポット。
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Kafe Moskova(カフェ モスクワ)
フィンランドを代表する映画監督カウリスマキ兄弟が経営するバーです。
アキ・カウリスマキ監督による映画「過去のない男 」にも、このお店が一部登場します。
カウリスマキ映画のファンだという村上春樹氏もこちらのバーを訪れたようですが、村上春樹氏はビールにありつけなかったようです。
その事はこちらのブログにて知りました。←リンク。
我々は、ちゃんとビールを飲むことができました。
別に怖い場所という感じでもありませんでしたが、少ないテーブル席やカウンターには、地元の方々がたくさんいて、お酒を飲みながら激しくおしゃべりをしている。そんな感じの雰囲気でした。(地元の方か、観光できた方かはわかりませんが。)
どこを撮影しても人が写ってしまいそうだったので、写真がかなり少なくなってしまいました。
まあ、こちらのお店は記念にとりあえず行っておいたって感じですね。
決して入り易い雰囲気の場所ではないですけど。
ビール一杯を上品に飲んで、他のお客さんと絡むこともなく、サッと店を後にしました。
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住所 : Eerikinkatu 11, 00100 Helsinki, finland
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ちなみにこちらのお店の隣には、ビリヤードができるバー「Corona (コロナ)」があります。
こちらもカウリスマキ兄弟らによるお店です。
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5日目はこれで終了。とても充実していました。
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twelve 青木 健太朗
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