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キセロフィタ共生あるある
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特にトリコフィラですが、下の写真のように、球根など現地の植物を取り込みながら成長してしまうようです。
これは小さいバルブ(球根植物)で、アルブカとかソウカクデンとかそのあたりの植物に見えますが、なんなんでしょうね。
きっと、この球根が種子の段階でキセロフィタにくっついて、両方とも成長していったことで、こうなったのだと思います。
球根側が、キセロフィタを土台として成長できたことがすごいですよね。
キセロフィタに、チランジアやビカクシダあたりをくっつけといても、それなりによく育つんではないでしょうか。
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植物検疫での用土付着
そんな構造のキセロフィタは、当然、現地の土も取り込みながら成長していきます。
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植物を海外から輸入するときは、植物検疫の国際ルール上、用土は全て落とさなくてはなりません。
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僕はこのキセロフィタを輸入するときに、根周りからどんどん土が出てくるので、全量、洗浄扱いになったことがあります。(現地でもある程度、土は落としたはずですが、どんどん土が中から出てくる。)
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植物検疫での洗浄を経験されたことがある方であれば、これがどれだけ面倒な作業かわかると思います。
空港内の施設にて、用土を洗う際に、洗った泥水を排水溝に捨ててはいけないので、全て煮沸滅菌して廃棄物として処理しなくてはいけません。
なので水も極力少ない量で洗わなければならず、いくら洗っても全然綺麗にならないなど、とても大変なのです。
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まあ、この辺について詳しく書くとかなり長くなってしまうので、この辺にしますが、とにかく輸入も大変な植物だということです。
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真相はわかりませんが、輸入が禁止になるような話をちらっと聞いたことがあるのですが、もしそれが真実だとしたら、このようなキセロフィタの土を取り込むような構造上の問題が原因なのでは、と思いました。
植物検疫の方の判断次第では全然NG出ると思います。
↑2019年8月某日、植物検疫様にキセロフィタの輸入について問い合わせをしてみました。
今後、何か変更があるかもしれないですが、現在のところは輸入が禁止になっているということは無いようです。
というわけで、後から文章に訂正の線を入れておきました。
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不死身っぽいけど
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そんな、燃えてもオッケーで、極度の乾燥にも耐えられる、そして寒さもへっちゃらの、不死身っぽい植物であるキセロフィタですが、やはり不死身ではなさそうです。
下の写真のように成長点がボキッと折れてしまった場合は、そこから葉が出てこなかったりします。
または、根腐れのようなことでもあるのかもしれませんが、たとえば酸素が薄くなった水にずっと漬けておいてもさすがに腐るというか、ダメになると思います。
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下の写真のようになんとなく白っぽいカビのようなものが、広がった場合は、何をしても葉が出なかったということはあります。
ただ、適度に乾燥と保湿を繰り返している限り、温度が合えば成長を続け、上の写真のようになることは滅多にないのではないでしょうか?
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ベロジア科の分類
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ちなみに最後にする話でもないのですが、分類的なことを調べていたら、キセロフィタが属する「ベロジア科」には、キセロフィタの他にも、バルバケニアや、ベロジアという植物などがありまして、下記のように分類されるようです。
(※当初この説明は冒頭にありましたが、読む人が減りそうなので、一番最後に持ってきました。)
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アフリカ大陸での分岐群 (African clade)
Xerophyta、Talbotia
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南アメリカ大陸での分岐群 (South American clade)
Barbacenia、Barbaceniopsis、Vellozia、Nanuza
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アジア大陸での分岐群 (Asian clade)
Acanthochlamys
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とりあえず、植物に詳しい人とヴェロジア科の話をするときには、「キセロフィタはアフリカ大陸」で、「ヴェロジアは南アメリカ大陸のブラジル」だよね〜的なことを言えば、少し詳しい感が出せるかもしれません。
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キセロフィタまとめ
・キセロフィタという学名は、”乾燥した”、”植物”という意味
・焦げた表面は山火事にも耐えられる証拠
・花は百合のような綺麗な花だ
・用土に植えなくても成長し続ける
・扱いが難しいと言われるが、普通に発根活着する
・管理は夏は水はジャブジャブ、冬は乾燥のメリハリ管理
・マイナス12℃の耐寒性があるとの噂
・ダンゴムシに愛される
・自家受粉するっぽい
・一回で採取できる種の量がかなり多い
・実生は取り蒔きで容易だが、水切れに弱い
・輸入時の植物検疫で用土付着になるリスクがある
・成長点が折れたりカビが生えたりするとダメ
・ブラジルにはヴェロジアというキセロフィタの親戚がいる
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そんなこんなで、未知の植物キセロフィタのことが、少しでもお分かりいただけましたでしょうか。
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入手できるチャンスがあったら、是非チャレンジしてみてください。
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キセロフィタは、その生態の特異さも含め、隠れた珍奇植物の王様と言っても過言ではないほど、魅力を秘めた植物だと思います。
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twelve 青木 健太朗
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