この枝先についているのもは何でしょう?
これは種が入っているシードポットです。植物の名はEuphorbia gorgonis です。
というわけで、今回は多肉、塊根植物、サボテンなどを種子から実生した記録です。
実生とは種を蒔いて発芽させることを言います。
読み方は「みしょう」です。うっかり「じっせい」と言ってしまうと素人だと思われてしまうようです。
実生の方法などについては別の機会に回すとして、実生した植物をいろいろ紹介します。
成長の過程や栽培方法というよりも、種類が色々あるので、幼い頃の姿と大体1年強くらいの年月が経った現在の姿を羅列するという感じの趣旨です。
成長後にこうなるであろうという、同種の大きめな株を所有している場合は、参考に載せていきます。
ちなみにこのシードポットが弾けて中から種子が採れます。
だいたいこの一つのシードポット一つから3粒くらいの種子が採れました。(種類によって異なると思います。)
その種子からの発芽したゴルゴニス ベイビーです。↓
#01
ユーフォルビア ゴルゴニス
Euphorbia gorgonis
和名 : 金輪際
名札の” 種とれた “がなんかアホっぽくて恥ずかしいですね。
異形のユーフォルビアでも、発芽したての子葉は双葉です。この段階では個性は皆無です。
その後少し成長すると、二枚の子葉を押し分けるように、中心の成長点から本来のタコモノ ユーフォルビアっぽい姿が現れてきます。
象徴的な枝もこの段階で出るんですね。
かなり斜めってます。このくらいの時期は上からの潅水の圧で倒れてしまったりするので注意が必要です。
#02
メロカクタス マタンザヌス
Melocactus matanzanus
通称 : トルコ帽サボテン 和名 : 朱雲(しゅぐも)
初めて赤い大きな花座(↓写真)を見た時は、なんじゃこりゃとびっくりしました。うちの実生苗には、まだ帽子はできていません。
これ。以前の記事「園芸店巡礼19 – 埼玉園芸市場 saien」より。
以前投稿した、新井エンゲイさんにて、大きな花座のメロカクタス マタンザヌスを見ました。
このサボテンすごいですね、と店主である新井さんに話すと、ちょうど種が出来てるからと言って、花座から種の鞘を一つ頂きました。
その鞘の中には種子が10粒くらい入っていたように思います。
この実生した写真のマタンザヌスは、その時いただいた種子が発芽したものです。ちゃんと元気にしています。
プリッとしててかなり可愛い。毛のような棘がすでにあります。
ちなみにサボテンの種子はゴマより小さいものが多いです。種類により大小ありますが。
一年以上かかってこのくらいのサイズです。
ちなみにトルコ帽サボテンという愛称の、トルコ帽というのはこんな形状のツバなし帽。
別名フェズハットと呼ばれていてフリーメイソンのものが有名です。
僕もフリーメイソンのフェズハットは実家に赤色と黒色を所有しています。
確かにマタンザヌスはこの帽子をかぶっているサボテンという風に見えます。
僕が実生したものも早く帽子を着用してほしいものです。
#03
アリオカルプス 皺肌花牡丹
Ariocarpus furfuraceus
シワ肌 というのは園芸上での名前なんでしょうか?
ちょっとこの辺のサボテンあまり詳しくないので細かいことがわかりません。
こんなサボテンも双子葉植物ということで、その双葉は?というとこの上下の写真でわかるように、左右のトンガリが一応、双葉ってことらしいです。かわいいですね。
↓は、現在の様子。大きさは少し大きくなったかなくらいですが、下部が木質化のような質感になっていて、大きい葉が成長しています。
#04
アリオカルプス トリゴナス 三角牡丹
Ariocarpus trigonus
上記の花牡丹とおなじアリオカルプス属。
かなり寄ってみました。
上記の#02~04はおなじ場所で栽培しているのですが、↓は実生した直後の写真。かなり細かい赤玉で覆っています。
↓こちらは1年以上が経過した現在の様子。
倒れそうな根元に用土を盛ったりいろいろな種類の用土を追加していたらいつの間にか自生地のような荒れ感に。ですがなんか馴染んでいそうなので、当分このまま行きます。
アリオカルプス君は成長が遅いですね。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれないですが、この入れ物ダイソーで入手した、野菜とかをレンジでチンする容器の内側のザル部分。100円均一ショップには他にも園芸に役に立つグッズがいろいろあります。
#05
シンチア クニゼイ
Cintia knizei
和名 : 恵毛丸
こちらもユニークな姿になる高山性のサボテン。
高山性のサボテンは比較的冷涼な環境を好んだりするためか、いつの間にか消えていました。
日本の環境は合わないとのことで自生地の南米ボリビアに帰ってしまったのかなと思い込むようにしていますが、多分溶けて死にました。
このくらいのサイズの実生苗は死ぬと消えます。残念。
#06
アガベ チタノータ ブルー
Agave titanota ‘Blue’
アガベです。アガベは単子葉植物とのことで、最初はこの一本の葉がツーンと出てきます。追って二枚目の葉が出てきて、3枚4枚と徐々にロゼット状になっていきます。
#07
キフォステンマ クイナツム
Cyphostemma quinatum
ブドウ科のコーデックスです。
1年くらいでまぁまぁ大きくなりました。(うちの環境での話。)
大きくなるとこんな感じに成長するハズ。
実生でこんなでっかい塊根が作れるかはわかりませんね。
#08
フォークイエリア マクドガリー
Fouquieria macdougalii
メキシコのトゲトゲの潅木。
どっちかというとヒョロとなってしまうイメージです。
葉は枯れ枯れですが、成長点付近は元気に展開中。
育成してみるとわかるんですが、ちょうど枯れた葉っぱがポロリと落ちた時、葉の一部がトゲとして残る感じです。
枯葉をむしっている時に気づきました。
その構造はアデニアのスピノーサとかも同じ感じっぽいですね。なんか合理的な作り。
これもここまでなるのに一年以上。
#09
パキポディウム ホロンベンセ
Pachypodium horombense
刺叉のように二つに分かれています。やっぱり上に伸びちゃいますね。
山採りのような、重心低めデブフォルムのには程遠いシャープさ。
↓これは同じ種類であるホロンベンセのもっと大人になったVerです。この程度の大きさになるまでもかなりの年月がかかっていそうです。
やはり、自生地の低重心フォルムを得るには、強光、強い風、少ない水分など生きれるギリギリの条件と気が遠くなる年月が必要そうです。
#10
プセウドボンバックス エリプティクム
Pseudobombax ellipticum
人気のコーデックス、丸々と作り込むとひび割れ模様なども入ってきて結構素敵な姿になる植物です。
丸々までは程遠いですが、一年強でやっとこういったヒビ模様が出てきました。
引きで見るとヒョロいですね。
強剪定してやろうか。とか思っています。
まるまるボンバックスをつくるには、ちょん切る通過儀礼が必要ですね。
#11
ブルセラ ファガロイデス
Bursera fagaroides
良い香りの樹液を出す、カンラン科の一つ。
良い香りがするとはいえ、樹脂や香料として珍重されるのは、同じカンラン科のCommiphora(コンミフォラ)から採取できる 没薬(ミルラ)と、Boswellia(ボスウェリア)から採取できる 乳香(フランキンセンス)なので、ブルセラはそれらに比べると香りのグレードは劣るようです。でもいい香りですよ。
かなりヒョロいですね。
根元の太さ、先端の方と変わりませんね。まあ何よりも元気が一番。
#12
パキコルムス ディスカラー
Pachycormus discolor
通称 : 象の木
上記と同じように潅木系植物なのでひょろひょろ。
もう一体いたんですが、お亡くなりになられました。残りの一本を大切にします。
というわけで、これで #01~#12が終わりました。
こちらの記録は#36まであります。
続きは下記のリンクからも行けます。
=====================================================
=====================================================
twelve 青木 健太朗