ウェルウィッチア ミラビリス ( Welwitschia mirabilis ) 奇想天外 実生記録

今回も植物に興味がない方にとってはマニアックな話題かもしれないです。

 

ウェルウィッチア ミラビリス ( Welwitschia mirabilis ) の種子を入手したので、実生に挑戦してみました。

 

和名は奇想天外 。こちらWikipediaのリンクを貼りましたので、画像なども出ています。

 

この植物のポイントは何と言っても生涯、二枚の葉しか出さないことでしょうか。

中心の成長点から二枚の葉を伸ばし続けるようです。

また、砂漠の植物なので、砂漠の地下水がある深さまで根を伸ばすようです。

そうそうイチョウやマツ、ソテツなどと同じ裸子植物です。

 

こちらの書籍。

植物のたどってきた道

[著]西田治文  NHKブックス

 

こちらの書籍でも少しウェルウィッチアについて書かれていて、読んでいた時は知らなかったので、いったいどんな植物なんだろうと思いを馳せていました。(検索すればいいだけの話ですが)

 

裸子植物の四大群の一つである、グネツム類の中のウェルウィッチア科だそうです。

そして一属一種です。

 

 

 

 

実物の写真を、Googleで画像検索しても、長く伸ばし続けた二枚葉は縦に裂けつつ、ぐるぐると周辺に巻かれて、先の方は枯れたり、なんだか砂漠にある枯れた植物の屑の塊ようにも、見えなくもないです。

 

これは一般的なお店では苗などまず売られているのは見たことがないです。

 

さて、こちらがその種子です。

パラフィン紙のような薄い羽根がついています。

 

こちらの植物は裸子植物ですし、実生するにあたり、適当にやっては失敗しそうな気がしたので、色々調べた結果、こちらの「ぱんさのマイナー植物園 奇想天外」様に掲載された情報を参考に実生してみました。

それにしても本当にすごい情報量です。かなり勉強になります。

と言うか、上記のリンク先を見てしまったら、今回の僕の掲載する情報なんて見る意味ないですけど。

 

しかし、続けます。

 

この羽根の部分は除去して、その周りについている外皮のようなものも剥きます。

 

 

こんな感じで上の方をちぎると剥けます。

 

 

なんかこのままビールのおつまみとかにできそうな雰囲気です。

 

 

これが内側の種子です。

 

 

さらに薄皮みたいなものもついています。

 

 

剥くと、ツルっとした松の実のような質感が。

 

 

この薄皮に関しては、結果的には取り除いても、そのままでもどちらでも問題なく発芽しました。

 

 

上記は、ビフォーアフター。

 

根が長くなるそうなので、なるべく深いプラ鉢に播種しました。

 

2、3日くらいで発芽しました。

 

ちなみに播種した日にちは8月22日。夏型の実生にしてはかなり遅いですね。

 

発芽に関しては、サボテンや多肉、塊根植物の実生と同様で、水と酸素と温度が重要です。

鉢の下が水につかる、腰水の状態にして鉢の上はラップで保湿し、温暖な環境におきました。

 

赤っぽいものが子葉です。根が先に出るそうなので、見えないですがこの時点で根が出ているのかもしれません。

 

シャキーンとした子葉。

 

まだ丸まった子葉。

 

 

こちらは根をかなり遠くに挿しましたね。

 

こんな感じで、様々な個性を持ちつつ、10粒播種して、10粒が発芽しました。すごい発芽率。

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず全て発芽したので、ラップは外しました。

 

 

腰水はずっとキープするそうです。

 

そして温度がかなり重要なようで20℃をキープしなくてはならないようです。

この最低温度はなかなかハードルが高いですね。

 

20℃より下がった覚えはないんですが、10個体発芽したうち、途中で成長が止まり力尽きたり、謎の枯れがあったりで、現在の生存者は3体です。せっかく活きの良い種子をこれしか活かせず申し訳ないです。

 

一ヶ月経たないくらいで、このくらいになりました。

 

9月も半分以上が過ぎ去り、夜の気温はそこそこ下がってきています。

うーん、こんな未熟な状態で冬を乗り切れるのか、、、。不安です。

今回の記録はここまでです。

 

もしも、生かし続けることができたら、また現状報告したいです。

 

検索した自生地の画像のような古い株では1000年とか2000年単位で生きている個体もいるようです。

 

僕がじいさんになるまで栽培ができたとしても、大した大きさになっていなそうですね。

 

twelve 青木 健太朗