買った植木鉢、咲いた花、つる植物、野良猫、エキゾチカ

毎度のことながらブログの更新が滞る期が過ぎ去り、一個更新してみます。

 

連続企画の園芸店巡礼も、初心者まるだしなのは否めないのですが、見てくれる方がいるのは嬉しいことです。

更新していない期間にも、新しい園芸店に行ったり、買ったりしていたんですが、最近全然アップデートできていませんでした。

 

さて、今回は特にこれといってなんでもない、最近のことです。例に漏れず植物系ですが。

 

とりあえず買った植木鉢など紹介です。

 

先日、中目黒のSMLに行ってきました。

中目黒SMLは主に民藝系の食器や雑貨などを扱う店です。

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緑の釉薬がかかった出西窯 (しゅっさいがま) ( 2400円+tax ) のものです。

下部には釉薬がかかっていなく素焼きの状態なので、通気性がかなり良さそうです。

しかも鉢底穴も割と大きめで伝市鉢のような感じでもあります。

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そして、二個目。

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黒っぽい濃茶の釉薬がかかった、こちらは齋藤十郎さんの作品です。

静岡県伊東市で作陶されているようで、スリップウェアなども多く作られているようです。

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上の出西窯の鉢に比べると、穴が小さめで水はけは悪そうです。

民藝も好きなので、そっち側からの切り口で植物関係に接触していくのも楽しいです。

 

下のものは、ちょっと前に同SMLにて、奥さんに買ってきてもらった小鹿田焼 (おんたやき) の鉢です。細かい価格は忘れてしまいましたが3000円くらい。

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パキポディウムのデンシカウレをセットしてみました。

定番の飛び鉋 (とびかんな) 模様。

以前、テレビで見ましたが、この飛び鉋という技法は、柱時計に使われるぜんまいのバネを使って、この独特の模様を刻んでいるようです。バネの絶妙な弾性がいいようです。

そういえば時も刻むと表現しますよね。と、ふと思いました。

とにかく身近な道具を使って模様をつけるというのも面白いです。

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あと、以前こちらでも紹介したTOKYさんにて購入したオリジナルポット。(再度、行きました。)

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Arc Clay Barrel Pot SSという商品。4200円+税 こちら受け皿も付属します。

植物はEntada reticulata (エンタダ レティキュラータ)をセット。

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こやつ、マメ科なんですが、成長点がイモ上部にたくさんあり、蔓をピョンピョン伸ばしまくりでした。

部屋に取り込んでおくと扇風機で乱れた蔓がたまに顔に当たってきたりとなかなか鬱陶しかったですが、それもまた元気な証拠かと。

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蔓系のコーデックスって結構いろいろありますが、蔓ってそもそも何なんだって思って、調べてみました。

光を他の植物たちと競合して優先的に獲得するためには、他の植物の陰に隠れない背の高さが必要で、それで植物たちは背が大きくなるように進化したものたちもいたりしましたが、蔓があれば背の高さがなくとも、蔓だけ高い木に沿ってぐるぐる巻きつかせ、高い木の上に伸ばした蔓から葉を展開させて優先的に太陽光を得るということのようです。

蔓にも色々な形状があるようですが、巻きひげみたいなものは数時間レベルでその辺の何かに巻きついたりと、ホント上手く出来てます。

詳しくはこちらで→wiki つる植物

 

Dioscorea bulbifera (通称 : 宇宙芋/エアー・ポテト) と言う塊根性の植物が近所のhananokiに売っていまして、おっ亀甲竜と同じ Dioscorea(ディオスコレア)だ!と思って、500円くらいで安かったしノリで購入しました。

庭に適当に放置しといたら、横に地植えしてある3mくらいのコニファー系の木にぐるぐる蔓を巻きつけて、数日であっという間にコニファーの頂上まで達し、大きな葉を展開させていました。

ちなみに、とろろそばとかでお馴染みのナガイモ(長芋)は、Dioscorea polystachyaで、自然薯(ジネンジョ)とも呼ばれる山芋はDioscorea japonicaという、新手の亀甲竜のような学名を持っています。

亀甲竜もアフリカ亀甲竜、メキシコ亀甲竜といいますので、そろそろ長芋のことをジャポニカ亀甲竜みたいな感じで呼んでもいいのでは。アフリカ亀甲竜も原住民の方々の間では食用らしいですよね、、。

 

そんなこいつも蔓系コーデックス

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Adenia stenodactyla (アデニア ステノダクティラ)

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伝市鉢に入れてみました。

伝市鉢もなんだかんだで結構好きです。鉢底穴のデカさとかも好きなんですが。

ちなみに伝市鉢はガス窯を使った普通焼きと、登り窯で松を使って焼く登り窯焼きとがあるようです。

値段も登り窯の方が高いのですが、ちょっと僕には見分けもつかないですし、まだその辺はあまりこだわってないです。こちらの記事に詳しく書かれていました。

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こちらも伝市に入れた Pelargonium appendiculatum (ペラルゴニウム・アッペンディクラツム)です。

秋に入って目覚めたあたりです。

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こちらもまた伝市のMonadenium sp. nov. aff echinulatum (モナデニウム エキヌラーツム)

変な形の塊根です。モナデニウムの花はなかなか奇怪で素敵なのですが、あまり人気ないっぽい気がするのですがどうなんでしょう。ユーフォルビアとかなり近縁だそうなのでやはり毒入りでしょうか。

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全然関係ないですが、先日、仕事の打ち合わせへ向かう途中に浅草橋付近で遭遇したやつです。img_4537

良い毛並みとツヤ。結構若そうです。

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配色や、模様もなかなかいいですね。

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むすっとしてますが。

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どっしりとしていて、なかなかの健康優良不良野良です。まさかの”良”が三回続いて軽いゲシュタルト崩壊。

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猫パンチしてきそうな顔してましたが、とりあえずちょっかいをだしてみました。

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完全に落ちました。

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(お近くにお寄りの際は、路地裏 探してみてください。)

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猫が苦手な方々はここで脱落してそうですが、また蔓系コーデックス。

 

Ipomoea cairica (イポメア カイリカ) モミジヒルガオっていうらしいっす。

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鉢はMENOSさんから購入した、「タイのPotデザイナーWoodさんによるタイ鉢」だそうです。意外と鉢の肉が薄めです。3000円くらいだったような。

MENOSさんは何年も前に髪の毛を切りに行ったことがあるのですが、植物の方は全然見てませんでした。あらためて行ってみたいですね。

そしてこちらのイポメア カイリカ、いくつか蕾が形成されました。

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花は朝方に咲き、わずかな時間でしぼんでしまうようなのでちょっとレアなんでしょうか。

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開花、粘って観察してみました。

星型のような感じ。

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少し開いています。

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お、いい感じ。

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場所移動。

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かなり薄い花びらです。

例えが全然ロマンティックではないですが、一枚のティシュペーパーを2枚に分けた時のようだと思ってしまいました。

でも綺麗ですね。まさに朝顔の花。

日々、育てている中で、変化が薄いので、こういった開花は一種のカタルシスを感じれる気がします。

 

Dorstenia cuspidata (ドルステニア クスピダータ)

こいつは蔓系ではないです。

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芋から太く茶色っぽい茎がにょきにょきと伸びてきまして、ドルス特有の不思議な花を咲かせました。

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こちらが花。ドルスはこの細長く尖っている部分が、花のがくにあたるのでしょうか?花びら?

フォエチダよりもこの部分がかなり長いです。

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種が付いてます。

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ドルステニアのフォエチダは自家受粉できるので勝手に受粉しまくって、しかもこの種は吹っ飛ぶのでその辺にどんどん増えていきます。

こちらのクスピダータはどうなんでしょう。

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とりあえず吹っ飛んだ時になくならないように対策をして、採種できたら蒔いてみようと思います。

 

上に出てきたコーデックスたちは、今年に小売りの営業をやめてしまったドイツのナーセリーEXOTICA (エキゾチカ) から購入したものです。

 

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エキゾチカはこのジャンルのパイオニア的な存在と書かれています。

 

下記のBRUTUS。

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こちらにEXOTICAの紹介記事があり、その中の文章によると、今後徐々に規模を縮小していって自分たちの時間を作る予定だ。といった感じで書かれていました。

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そうなんだ〜、程度で考えていましたが、まさかこんなにも早くに終わってしまうとは、、、。

僕は2、3回購入させていただきましたが、もっとエンジョイしたかったです。

 

植物に興味が湧き、園芸店に行ったり、珍しい多肉を探していると、いつも見かけていた、ユーロ価格部分をぶった切られたエキゾチカのタグ。全て同じ場所からきていたとは。

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その時は何も知らず、こういうフォーマットで種類名を書くのが主流なのかなくらいで思っていました。

 

エキゾチカと親交が深い千葉のグランカクタスさんにお邪魔した時に聞きましたが、ここ数年での多肉植物ブームなどもあり、小売り対応に疲れてしまったらしいと聞きました。それと園主の方もいい感じのお歳なようで、以前から業務縮小を考えていたっぽいです。

 

多肉植物ブームに思いっきり乗った自分としては、なんとなくその一翼を担った感もあり心が痛むようでもあります、昔からエキゾチカに親しんできた世代の植物愛好家の方々にとっては本当に大事件だったんだろうなと思います。

 

オンラインショップが閉鎖されたサイトには最後の言葉として「We wish you a “green thumb” and enjoy your wonderful hobby! 」と、あります。

 

“green thumb”とは直訳すると緑の親指って感じですが、意味としては、園芸[植物栽培]の才ということらしく、語源は親指が緑色になるくらいに植物をいじっているところから。だそうです。

僕の親指はまだまだ肌色ですが、もっと研究して、せめてギリギリ光合成ができる斑入りの親指くらいにはなりたいですね。

 

こちらは思い出深い、エキゾチカ オークションで競り落としたCommiphora kataf (コミフォラ カタフ)です。値段部分 0.00Euro のタグはオークション株ってことでタグのレアさもありです!

エキゾチカオークションには、なんじゃこりゃ!って思ってしまうようなモンスター植物が色々出てました。

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湾曲している部分はかなり太く、そしてカタフ特有の純白ボディには、我ながら惚れ惚れしてしまいますが、まぁカタフはここでなければ手に入らないというほど激レアでもないですし、送料やらフィトなどの経費を諸々含めると割高感は否めなかったです。が、一つの時代が終わったであろう記念品として大切にさせていただきます。

 

この葉っぱがピヨーンってなっているのは早くもウチに来てからの徒長でしょうか。カンラン科も結構好みで色々チェックしたり、買ったりしているんですが、まだ分からないこと多しです。剪定方法なんかもちょっと誰かに聞かねば。

 

コミフォラはソマリアに多く分布しているようですが、先日見ていた映画「キャプテン・フィリップス」。トム・ハンクス主演で、アメリカの貨物船がソマリア沖で、ソマリアの海賊に襲撃される話しでしたが、映画冒頭、海賊である漁村の人々たちが住む村がSomalia Eyl (ソマリア エイル) でした。コミフォラが好き方はハッとしてしまうんではないでしょうか。

節がボコボコと団子状の膨らみを持ったコミフォラです。

映画自体も実話ベースということで、終始ドキドキで結構面白かったです。

 

 

(左、パキポ ラメリー  右 ガジュマル)

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レア種とか、希少種とか、難物種とか、そういうのもいいのですが、一株で何万円もするような植物を買ったりとか、ある意味で価値観が狂っている時に、ふとこういう超普及種のガジュマルなんかを見るとなんだかとても和みます。

 

100円のダイソー仕様のガジュマルで、鉢も普通に売ってる500円くらいのやつです。

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高くても安くても、どれも同じ植物なんだな〜と。

 

多肉植物に目覚めた当初の心躍る感覚の中には、どれがレアだのとかもわかりませんでしたが、目に映るものは得体の知れない謎の植物だらけで、純粋になんでもかんでも楽しかったな〜と思います。

 

植物の流行とか、最近はこれがアツいとか、この植物が今年は当たり年だったとかそういうのもあるようですが、ある程度そういった潮流とは良い意味でいい距離感を保っていくのも楽しくやっていく秘訣かもです。高いものも安いものも、イイものはイイ、良くないものは良くないと、周りも気になってしまいますが、ある程度、他に流されずにいきたいです。

 

もうそろそろ冬が来ますね。フォーメーションを整えなければです。

 

twelve 青木 健太朗