11月3日 文化の日、そんな本日は日本民藝館へ。
天気もよかったです。
駒場東大前。学生が多かったです。文化祭とかでしょうか?
本日は「カンタと刺子」という展示です。
駐車場があるので今度は車で行くのも新鮮ですね。
カンタとはベンガル地方 (現在のバングラディッシュとインドの一部の地域) に伝統的に見られる手工芸の布です。
ペイズリーや、植物柄や、動物、人物を中心に、様々なモチーフが細かく大きい布に描かれますが、これらが全て刺繍になっています。
こういった雰囲気。
驚くべきは↓のように、モチーフ以外のベース部分(白い所)にもびっしりと刺繍が入っている緻密さです。
儀式など特別な場面で使われていたようです。
今回の展示の民藝2014年9月号と、10月号の東北地方のこぎん刺しの特集を、先日銀座の「たくみ」でゲットしました。
カンタはかなりゆるい絵柄なのによくみると、びっしり敷き詰められた細かなステッチというのが特徴的でした。
それに対比させるようにして、日本の東北青森や山形のこぎん刺しなども展示してありました。
こぎんとは、木綿の生地が貴重だった東北にて、当時の東北の人々は麻布の衣服での生活をしていましたが、麻布は密度がスカスカで相当寒く、ギリギリ手に入るようになった木綿の糸を使用し少しでも隙間を埋めて寒さをしのぐ為に刺繍していったのが始まりなようです。
↑の、「こぎん」部分のwikiリンクで色々書いてあります。
この緻密な柄は全て刺繍によって描かれています。
他の刺し子との違いは縦の織り目に対して奇数の目を数えて刺すことである。 偶数の目で刺すと青森県南部の菱刺しになる。(wikiより)
と、カンタとは違い、布目に対しての刺し方に法則性があります。
最初、ベンガルのカンタの展示を見て、スゲー緻密だ〜…と唸りながら、順を追って、こぎんにたどり着くと、その日本人気質といいますか、なんか硬いというか、緻密でまじめな感じだな〜…と両者の違いがあり面白かったです。
ベンガルのカンタも開放的でいて、部分的に密度が違ったりと、その時の制作者の気分的なものが左右したのではないかというゆるい魅力もあり、一方で、東北のこぎん刺しも東北の厳しい環境を生き抜くというたくましい民藝的、用の美の健康的なデザイン性と、その繰り返しによる緻密な模様の美しさと、どっちがいいとも言い切れない両者とも素敵な悩ましい展示でした。
11月24日までです!
ちなみに野良着に刺繍をするということなどからも、こぎんの文化と、北海道アイヌの刺繍着物に共通点がありそうですが、関係無いんではないかと、宗悦さんは民藝の中で書かれていました。
ビンテージこぎん野良着、欲しいですね。アイヌの着物も欲しいです。
ビンテージ野良着を着て農業ってのも粋ですが、野良着を着て農業ではなくグラフィックの仕事をするっていうのもなんだか絶妙で憧れます。
twelve 青木 健太朗