Vol.1からの続きです。
冬型の多肉植物オトンナ(Othonna)の栽培写真を記録します。
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全3回です。
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前回のVol.1 (1種目~8種目)←このページへリンクしてあります。
Vol.3 (18種目~25種目+おまけ)←このページへリンクしてあります。
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9種目
オトンナ・クレムノフィラ Othonna cremnophila
これもベアルートの写真ですみません。
緑色の肌と、成長点付近に生えたカビのような白いふわふわが特徴的です。
ベアルートの時点で成長点部分に黒っぽい、傷のようなものが点々としていました。
悪い予感しかしませんでしたが、案の定、しばらくしてお亡くなりになられました。
海外からベアルートで送られてきた植物を発根させるのは難しいと言われます。
僕は発根させるのが難しいというよりは、現地で土から抜かれて到着するまでの間に、すでになにかしらの菌が混入しているのではないかと思っています。
根から土を除去する作業は大変ですし、植物には無数の傷が出来ると思います。
そのため輸送中に枯れて到着するか、もしくはすでに植物に混入している菌が植物の中で拮抗して、ゆっくりと時間をかけて枯らせてしまうというパターンが多いのではないでしょうか。
菌が混入しないようにしっかり処理が施された株は、ほとんど枯れない気がします。
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10種目
オトンナ・ユーフォルビオイデス Othonna euphorbioides
和名 : 黒鬼城
またしても悪そうな和名ですね。黒い鬼が住んでいそうです。
とても人気がある種類です。僕もとてもかっこいい植物だと思います。
ユーフォルビオイデスのオイデス部分は「~に似ている」という意味だそうで、こちらの種はユーフォルビアに似ているという意味の名前になりますね。
と言ってもユーフォルビアの何に似ているんでしょうか?
似ているという元のユーフォルビアは、ユーフォルビア・ギラウミニアナ (Euphorbia guillauminiana)あたりでしょうか?
個人的には、細いチレコドン・レティキュラータス (Tylecodon reticulatus)って感じがするので、ユーフォルビオイデスよりも、チレコドオイデスとか、バンブツソオイデスとかってダメですかね。
こう言った小さい株もかわいいです。
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11種目
オトンナ・ハリー Othonna hallii
希少な高級植物です。
こちらもこれが遺影となり、活着する前に天に召されました..
やはり希少とされるものは死にやすいというか、栽培が難しいですね。
というかこのオトンナ・ハリーやオトンナ・カカリオイデスが難しいというよりも、このくらいのサイズの植物を輸入して活着させること自体がハードル高い気がします。
このくらいのサイズ感の普及種のオトンナをいくつも輸入したことがありますが、やはり一定の割合で枯れてしまいました。
いずれにしても、もう少し腕を磨いて、また良い巡り合わせがあればチャレンジしたいです。
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12種目
オトンナ・エスピー・ノヴ・ヴェルカエ Othonna sp. nov. verrucae
sp.nov. がつく名称で入手したオトンナです。
Sp.は未記載とか名前が分からないというようなことで、nov.は新種の記載であることを示すようですが、検索しても情報が乏しく詳細は謎です。
何かわかったら詳細を追記しようと思います。
ボコボコしたコーデックスです。
葉はレトロフラクタのようでもあります。
花が咲きました。
花のアップです。舌状花らしき部分が細くクルクルしていますね。
蕾ボール。
開花前の蕾です。
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13種目
オトンナ・アルミニアナ Othonna arminiana
こちらもベアルートですみません。
イボイボ頭が特徴的です。どことなくブッダの螺髪(らほつ)を彷彿とさせます。またはパンチパーマ。
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14種目
オトンナ 雑種/交配種 (クレムノフィラとアルミニアナ)
Othonna hybrid (cremnophylla × arminiana)
交配種なので両者の特徴がそれぞれ出ています。
クレムノフィラとアルミニアナは9種目と13種目にベアルートで登場したものです。
オトンナ・クレムノフィラ Othonna cremnophyllaの白いフワフワと、成長点付近にはオトンナ・アルミニアナ Othonna armianaのイボイボさがあります。
まさにフワイボです。
両方の特徴は比較的薄めですが、ぽちゃっとしたフォルムはなかなかいい感じです。
花はこんな感じでした。なんだかオトンナの花はどれも似ている気がしますが、その中でも舌状花の巻き方や、幅、筒状花の部分のボリューム感など異なる気がします 。
オトンナマニアの方は花で色々わかるのでしょうか。
アルミニアナ感がある成長点は、若干ワサビっぽさもあります。
カビの生えたワサビでしょうか。
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15種目
オトンナ・エスピー. アッケレンダム Othonna sp. akkerendam
またしてもエスピーです。
こちらは名前にAkkerendamとありますが、調べてみると地名なようです。
南アフリカ共和国のカルビニア(Calvinia)という地域にある自然保護公園みたいです。その辺が自生地なんでしょうか。
もう少し大きくなると、何かしらの特徴が出てくるんでしょうか。
↓下の写真は、少し成長した姿です。徒長の一種かもしれませんが、なんとなくヒョウタンっぽいシルエットになってしまいました。
小さいですが、大切にしています。
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16種目
オトンナ 雑種/交配種 (ヘレーとクレムノフィラ)
Othonna hybrid (herrei× cremnophila)
やはり成長点付近にクレムノフィラの綿毛のような、カビのようなフワフワがあります。
ヘレーのゴツゴツさも少し出てきています。
ゴツフワ系です。
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17種目
オトンナ・パベルカエ・スクットバーグ
Othonna pavelkae skuttberg
skuttbergは地名ではないかと思うんですが、詳細は分かりません。読み方も正しいのか分かりません。
アルミニアナのようなイボイボ感があります。
何者なんでしょうか。↓葉っぱを芋虫に食べられてしまいました。
↓こちらは国際多肉植物協会の会報誌であるI.S.I.J Newsletter Vol.21 2018/11 通巻239号です。
いつも届くのを楽しみにしています。
この号では冒頭でKono Tadayoshi氏がオトンナについての文章を書いています。
メインの内容は Othonna sp. Feather leaved についてですが、その文章中では「本物を目にすることはまずないパベルカエ」というようにパベルカエについても一部触れられています。
このパベルカエの真相についても是非特集して欲しいです。
この特集にあった、細かい葉をつけるオトンナ・フェザーリーヴス(Othonna sp. Feather leaves)や、紫の花を咲かせるオトンナ・カキリフォリア(Othonna cakilifolia)も、とてつもなく欲しいです。
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Othonna pavelkae で検索すると、Othonna pavelkae Lavranosという名前で出てきたりします。
Lavranosはプラントハンターのジョン・ラブラノス氏だとは思うのですが、やはりこの種に関しては分からないことだらけです。
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Vol.2はここまでです。
Vol.3に続きます。
こちらからリンクできます。
冬型キク科多肉塊根植物 オトンナ OthonnaたちVol.3 ~贔屓植物記録 2019.01冬~
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※登場する植物は、記載してある名称で入手したものというだけで、標本株というものでもないですし、葉や花の形なども、標準とされる個体から差がある場合があることをご了承ください。交配種も載せているくらいですし。
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twelve 青木 健太朗