それは昨年の話です。
アメリカはオレゴン州ポートランドのアーティスト、AJ Fosik (エージェー・フォシック)
木工の技術をベースとして、主に着色した細かい木のパーツを組み合わせてアジア的な宗教感を感じさせる動物の立体造型作品を作るアーティストです。※アーティストプロフは文末に転載。
↓ご本人
かねてよりその強烈な作品に魅了されていた僕は昨年(2014年)の4月18日〜5月11日の日程で「hpgrp GALLERY TOKYO」にて開催されていた日本初の個展(複数のアーティストコラボ企画なのでグループ展になるのか?)に行ってきました。
この企画の主旨は、上の画像の無着色の状態のAJ Fosik氏の作品を、日本の様々なアーティストが思い思いに手を加えるという内容でした。
参加アーティスト
AJ Fosik、SHOHEI、 MHAK 、imaone、 Koichiro Takagi 、KAZ、 Madsaki 、yoshi47、 荻野竜一 、Hiro Kurata 、澁谷忠臣 、USUGROW 、苦虫ツヨシ
参加作家さんの一部しか存じ上げなかったです。
Madsakiさんの作品は確かBBQというようなタイトルで、このベース作品に火をつけて真っ黒焦げにするというだけのコンセプチュアルな内容でした。
これ実物を間近で見ると、炭のようになっています 笑
などなど作家さんの個性を生かした内容になっていました。
刺繍が使われていたり、または原型をとどめていない作品なども。こちらにて、その作品群が閲覧できます。
こちらで展示されている作品は全て購入可能でした。
日本作家とのコラボではない純粋なAJ Fosik作品がほしいということで、2点展示されているうち、売却済でない方の1点を、その場で悩みまくったあげく、なんと衝動買いしました。
こちら
GIGANTIC LABEL MASSIVE
本来かなりデカイAJ作品を、あえて平面的に(それでも立体)薄くし、小さくすることにより日本の家屋などにも飾れるようにとの配慮がなされた日本向けバージョンです。小さいといっても幅は70cm近くあります。
金額は、なんと 216,000円〜!!!
これ今ウチにあります!
2014年のまだ半分にも行ってない段階で、もう今年は何も買わないと心に誓ったのでした。
ちなみにアーティストコラボものも金額は同じ。
裏にはAJのタギングのようなサインありです。
元々はグラフィティアートなどからキャリアをスタートさせているであろうAJの作品ですが、着色の塗料はスプレーのような質感だったり、模様の部分はステンシルだったりします。
細かなパーツなども基本は木のパーツで、電動ノコで形作られたらしきパーツがかなり小さな釘で打ち付けられて、この形を構成しています。
ちなみにもう一点の売約済みだった作品↓は作業量こそ多いものの30万くらいの値段でした。アメリカの方が買われたそうです。それってアメリカで制作した時点で現地の方に対して売約済みになったのでしょうか、、?
とてもいい感じです。
繰り返し連続されるモチーフがAJっぽいです。
そしてこんなタイプも見ました。
なんかウチのに似ている。兄弟のような親近感を感じます。こちらはAJのアトリエかなんかの写真だった気がするのでアメリカにあるような気がしています。
となれば、コラボでない単独のAJ Fosikのみの立体作品は、日本でうちにあるコレだけ!?、、、だったりしないかなと淡い思いを馳せたりしています。
もし物好きな方の手元にあったとしても、これはこれでかなりレアアイテムに変わりないと思っています。
ちなみにウチにあるこの作品のタイトルである「GIGANTIC LABEL MASSIVE」
ジャイガンティック ラベル マッシブ
このジャイガンティックとはポートランドにあるブリュワリーです。
そうビールなどを作っている酒造メーカーみたいです。
おそらくそれのラベルとして考案されたデザインだった為、ジャイガンティック ラベルとなっているっぽいです。
これ
これ商品 ビール好きとしても、AJ Fosikファンとしても是非一度飲んでみたいです。
ちなみにこんなラベルもあるみたいです。
あと個人的にはこの手だけの作品もツボです。
AJ の作品の動物たちは、インドネシアとかバリとかに出てくる動物の神様みたいなイメージがベースにある感を受けるのですが、他にも仏教ぽい感じだったり、イスラムっぽい模様だったり、キリスト教ではない、アジアや中東などの宗教からインスピレーションを受けているようです。
そんななかでこの手印的なモチーフはコンパクトだし、部屋に置いておきたい。一個いくらくらいするんだろう。
作品の動物たちの邪悪な表情はおそらく、チベット(仏教にもありますが。不動明王とか。)の密教などにある忿怒尊(ト)がベースなのかな。忿怒尊はものすごく怖い顔で怒っているように見えますが実は悪い神様とかではなくて、脅すことにより解脱を促すような存在だったような…
(煩悩を抱え最も救いがたい衆生をも力ずくで救うためにキレている)
例えキレていたとしても結局人々を救う為にそうしているんだとしたらなんだかそれはそれでカッコいいと思います。
まあ、結局意図は分かりません。話逸れました。
そして、お待ちかね。
アメリカのAJの所属しているであろうギャラリーに、デカイAJの本気立体作品の値段を問い合わせてみました。
瑣末な英語メールにて。。
↑横幅127cmで前にも相当飛び出している巨大立体作品。
「Nighttide for Idols」2013
そして、こちらのもっと飛び出している
「The Savage Wellspring of All Endeavor」2013
上記2点の値段発表。
両方とも値段は同じで、それぞれ $12,500 とのことです!
最近の円安のレートの1$→120円 と換算すると、作品代だけで150万円!!
そこからこの巨大な荷に対する送料数万円と、輸入時の関税などの諸経費がおそらくどんどん上乗せされていく事になります。
AJのデカイ作品を輸入するには、余裕を持って200万弱かかるということになりそうです。
200万あったら車買うわ!
もしくは家買うときの頭金にするわ!
そう考えると、ウチにある20万ちょいのミニマムAJ作品は、飾りやすいし、かなり妥当な値段の作品なのではと考えることも出来ます。そう思いたい。
ちなみに問い合わせに心よく応じてくれたギャラリーはこちらです。
Jonathan Levine Gallery (ニューヨーク)
購入したいと思ってるお金持ちの方はメールしてみて下さい。
最後に魅力たっぷりのAJ Fosik コレクションをお送りします。
こういったオフィシャルかは分かりませんが、TATTOOのデザインとして使われていたり、
CDのジャケットとしても使われたり
本来は立体の作家ですが、平面にした所でそのパワーはまったく衰えません。
こんなキャラ立ちした作風を持っているのは本当にうらやましいし、かなり素敵です。
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ARTIST PROFILE
AJ Fosik (エージェー・フォシック)
AJ Fosikはミシガン州デトロイトの工業地帯で育ちました。
”モーターシティー”のアンダーグラウンドミュージックと強烈なカルチャーにどっぷりと浸かり、自動車産業が崩壊しつつある街で、自身の芸術的工芸作品に 磨きをかけてきました。1990年代後半にはパーソンズ・スクール・オブ・デザインに通うためにAJはNYヘ移り住みます。NYで、彼はすぐに”Rot Gut Collective”というチームを作り、KGBEと共に伝統的なグラフィティアートの限界を模索しました。Rot Gut Collectiveは看板型の作品を屋外に設置する手法を得意とし、急成長していたニューヨークのストリートアートシーンで注目を集めました。 しかしAJは肥大しすぎたストリートアートシーンにはのめり込まずに、看板作品作りで学んだ木工に目を向けました。 彼は一本のノコギリと拾った木材で、数千の小さな部品を切断し、今では彼のアイコンともなっている精巧で邪悪な表情をした獣たちを作りました。2005 年、古いピックアップトラックにオートバイとノコギリを積んでニューヨークを去ったAJは、道中に様々な仕事 – 大工、タクシードライバー、メカニック等々 – をしながらアメリカ大陸を横断しました。 彼はその後も様々なところを旅し続けました。そして彼の作品の評判が上がるにつれて、アメリカ各地のギャラリーで彫刻作品を展示し始めます。彼は現在、 ニューヨーク、パリ、サンフランシスコのギャラリーから作品を発表し、ベルリン、サンパウロ、ロンドン、ミラノでの個展も成功させています。また、サムス ンUSA、ワーナーブラザーズ、フェージ、サイオンなど、世界的な企業とのコラボレーション・プロジェクトを実現してきました。AJは現在、妻の Kristiと息子のAbeと西海岸で暮らしています。
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たかが木、安いか高いかは、人それぞれの価値観ですね〜。
少なくともウチに遊びにきてくれた友人たちは何じゃこりゃ〜とビックリしてくれます。
2個目のAJ作品を手にできるのはおそらく来世だと思いますが、ぜひとも今よりビッグネームになってほしいです。
今後とも応援しつつ、動向をチェックしていきたいです。
また日本での展示企画やってほしいです。
twelve 青木 健太朗