2014年12月6日〜8日に北陸は石川県の能登に観光旅行してきました。
3月14日は北陸新幹線 金沢開業ということで、ここ最近はテレビの旅行番組の企画などでも頻繁に金沢や輪島の旅番組が放送されていたりと何かと話題です。
話題に先乗りするという訳ではなく、能登半島の奥の方に数年前からずっと気になっていた宿があったので、このタイミングで行ってみることにしました。
去年の年末のハナシなので、もちろん新幹線ではなく、羽田から飛行機で能登空港へ。
羽田離陸直後。
雲の上へ。
雲の下へ抜けるとそこは雪景色というか吹雪。
ちょうどこの12月6日から、北陸らへんに寒波がきていたようです。
空港からレンタカー借りたのでちょっと心配でした。
初北陸です。
レンタカーの手続きなど色々手間取っているうちに天気もなんとなく晴れてきました。
何故レンタカーを借りたかというと、目的の宿は能登半島の奥の方、珠洲(すず)という地域にあり、かつては’のと鉄道’の能登線によって穴水〜蛸島というルートで電車が出ていたようですが、2005年に廃線。奥能登へのアクセスが結構難しいと思ってのレンタカー予約でした。
(ただまるまる2日間、車をレンタルしたため、費用もかさみました。しらなかったのですが、ふるさとタクシーというあいのり式車両の移動手段があり、そちらを使うことにより、レンタカーまたはタクシーに比べて経済的に奥能登へのアクセスが可能なようです。旅行を検討されている方はリンクをチェックして下さい。)
雪道での運転を若干心配していましたが、道路はすっかり除雪されていて、雪は道の両側へ。
しょっぱい地図で申し訳ないのですが、こんなルートで動きました。
2, 30分くらいかかったような。
輪島市街に到着しました。
こちらのお寿司屋さんへ。
こちらは宿泊する宿のおすすめのお店だったので、迷わずこちらへ。
(宿自体は輪島エリアではなく、珠洲の方なのですが)
牛などものっていて最高です。右下は白子。
こちらのどんぶりは「能登丼」です。
お店からお箸をプレゼントでいただき、お腹いっぱいで店を後にしました。
日本海をとりあえず見ておこうということで、港の方へ。
こちらは輪島名物の朝市などが行われる通り。
輪島=漆器ということで、こちらの石川県輪島漆芸(しつげい)美術館へ。
漆のすごさや、美しさ、歴史などに触れました。
木を削って椀にして、漆を塗り重ねて行く過程や、漆の木から漆の液を少しずつ採取していくVTRなども見れます。
そういったのを実際に見るとやはり興味が持てます。
漆器は高価なものですが、やはり工程などもたくさんあり高価なのにもそれなりの理由があるのですね。
100円均一ショップなどで見かける漆器をイメージしたであろうプラスティック製のお椀は現代の一般家庭に普及していたりするそうで(ウチにもあります)、一見、結構精巧なようにできていますが、違いが分かる男になりたいものです。
漆器にも惹かれましたが、旅行となると出費も多いので、ここは我慢。
日も暮れてきたので、急ぎ目で宿の方へ。
こちら国道249号線。日本海側を走ります。
海は荒れまくりで、怖い一方でテンションも上がってしまいます。
この249号線に観光スポットである「白米の千枚田」(←リンクはwiki) があります。
こちらは日本海に面する斜面に作られた棚田です。
冬はこんな感じになっちゃってます。
個人的にはイルミネーションされたバキバキのLEDよりも、自然な千枚田が見たかったなあと、悔やまれもしますが、それ自体も東京からきた人間の一方的な田舎憧れみたいな主観なのかもと思うと微妙なところです。
というかLED消したら真っ暗で何にも見えなくなってしまいますよね。
季節や時間帯によっても見せる表情は色々あり、こういう風景はとても美しいなと思います。(上下写真ともにオフィシャルサイトから拝借)
今回は天候もあまり良くなかったし、時間も遅かったため、荒波ザブザブの若干怖い感じの白米千枚田の表情を見せていました。なので、わりとサッと通り過ぎました。
もう一度貼ります。夜なので地図をナイトバージョンにしてみました。ちょっとうざいですね。
そして、珠洲市の方へ抜けて、矢印が指し示す最終地点、「湯宿 さか本」です。
あたりはもう真っ暗です。
さか本の敷地内の細い道路を脱輪しないようにゆっくりすすみました。
これは玄関に置かれていました。
置かれている古道具なども、どれもセンスの良さを感じました。
廊下。
廊下から続く洗面所。ここ吹き抜けです。
トイレへ行くにはここを通らねばならないので、かなり寒いです。
こちらの1階の広間には、囲炉裏と薪ストーブがありダブル暖房です。
なんだか吹雪いている景色や、日本海の真っ暗な荒波の横をバーっと一気に走ってきて、かなり遠くへ来ちゃった感がありました。
そんな中、ぱちぱちと火の粉をあげる真っ赤になった囲炉裏の炭をぼんやりと凝視。
2階の廊下部分から1階の広間を望む。
古い建物をリフォームしたようで、木の質感などの素朴なぬくもりが溢れていますが、かなり計算されたような鋭いセンスの良さと、無駄がなくすっきりとした品の良さみたいなものを感じました。
天井の梁などと一体化するようにさりげなくスピーカーが設置してあったりとか。
写真左上に見えるのは本棚です。どんなのがあるか一通り見ましたが、忘れてしまいました。ただ能登の歴史など、土地の風俗的な資料なども色々あって、なんかそういう部分もとても好きでした。
この広間から階段で上がる2階部分には客室は2部屋のみ。
他の場所にまた部屋はあるようでしたが、宿全体で見てもそこまで多くはなさそうです。いや、もしかしたら客室ここだけかな?
そこまで広くもない畳の和室ですが、こちらもちろんテレビはありません。
そして暖房もないのです。客室は障子戸になっていますが、鍵もありません。
唯一の暖房は布団です。強いていえば囲炉裏からの暖かさがほのかに漂う程度。
この季節にさか本に来たら夜はもう寝るしかないですね。
トイレに行ったら、その寒さでリバウンドでまたトイレに行きたくなります。
もしかしたら、さか本は大いに好き嫌いを問う宿です。
なにしろ、部屋にテレビも電話もトイレもない。スリッパもない。
冷房設備もないから、夏は団扇と木立をぬける風がたより。
冬は囲炉裏と薪ストーブだけ。
そう、いたらない、つくせない宿なんです。
このようにHPにもある通り「おもてなし・なし」とあります。
そういった意味では、至れり尽くせりの宿が普通という一般的な概念から距離を置くスタイルで、本当に好みが分かれる宿だと思います。
おもてなし・なしと言いつつも、食事も非常に美味しくて、湯も最高でした。
なにもないからご飯食べて、酒を飲んで早く寝てしまうという、ないことによって味わえる贅沢さみたいなものがあるのではと思いました。
この「おもてなし・なし」のスタイルがさか本の「おもてなし」です。
興味がある人はまず行ってみてほしいです。
という訳で結果的に僕にとって、この宿は最高で無二な場所に思えました。違う季節にまた訪れたいです。
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湯宿 さか本
〒927ー1216 石川県珠洲市上戸町寺社
TEL 0768ー82ー0584
なお、1月2月は寒いのでお休み とのことです
価格などは下記のページをご覧ください。
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この上記HPにある店主による「独言」、「物置」もおもしろいので是非見てみて下さい。独言もっと続けてほしいです。
※奥能登へは電車が通っていなかったり、アクセスの悪さにより、観光の際の交通費などに対しての補助金がおりたりするパターンがあるようです。
今回の場合、飛行機だったので、航空券を宿に見せることにより、数千円の割引がありました。
そしてレンタカーも補助金という意味で2000円くらいのキャッシュバックがありました。色々な方法や、お得なキャンペーンなどを駆使してください。
アクセスの悪さは否めないですが、一方でとても魅力がある土地なので、金沢や穴水までではなく、是非 能登半島の奥の方まで行ってみて下さい。
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twelve 青木 健太朗