野尻湖-2 「野尻湖ホテル エルボスコ」

先月7月26日、27日の長野県野尻湖旅行、第二弾です。

 

野尻湖湖畔の斜面に佇む「野尻湖ホテル エルボスコ

こちらに宿泊しました。

mini2014-07-27 16.09.26入り口付近です。

 

こちらの建物が作られたのは1983年ですが、当初は野尻湖プリンスホテルでした。

“2004年に端を発したプリンスホテルのグループ再編に伴うリストラ策”により、この野尻湖プリンスホテルは2007年にプリンスホテルグループの手を離れたようで、現在の運営形態となっていったようです。

 

天井が高く広々としたエントランス。

mini2014-07-27 18.22.28

こちらの建物の建築は清家 清(せいけ きよし)さんによるものです。

昭和を代表する建築家ですが、2005年にお亡くなりなられています。

mini2014-07-27 17.34.57

このホテルのコンセプトは「読書をするホテル」ということです。

mini2014-07-27 18.22.37

こちらは本棚です。

清家清をはじめとする建築系の本はもちろんのこと、この地にゆかりのある小林一茶の本や、民話、物語、図鑑、絵本などさまざま。色んな年齢の方に向けてのセレクションと思われます。

 

野尻湖の比較的栄えているような場所からも少々距離があり、車でしばらく細めの道を走ってこなくてはならないので、コンセプトも「読書をするホテル」という感じになっちゃうのかもしれないです。

でもこんな場所でぼんやり読書なんて、贅沢なコンセプトだと思います。

 

mini2014-07-27 17.34.48

ここで飲み物とか飲めます。

 

下の写真は客室へ向かう途中ですが、リキウインザー アームチェアと思われる椅子が4脚登場。

こちらのホテルは建築家は清家清さんですが、家具などは渡辺 力(わたなべ りき)さんによるものです。

渡辺力さんも2013年にお亡くなりになられています。

mini2014-07-27 17.25.52
ここのエリアにwi-fiがきている模様。

mini2014-07-27 17.28.44mini2014-07-27 17.21.18

 

Google mapより

google

googlecl

上記の様に、野尻湖の湖からの斜面の等高線に沿うようにして建てられ、湖の形に合わせて廊下も若干クネクネしています。

mini2014-07-27 17.20.09

 

部屋の中の大きな窓。

野尻湖が一望できます。

mini2014-07-27 17.06.28

野尻湖の険しい斜面側になじむ様に、段々になっている不思議な作りです。

斜面に部屋を効率的に配置していくためか、廊下から扉を開けると直で部屋になっている部屋と、メゾネットのように廊下から扉を開けると螺旋階段があり、一階分下におりるというような部屋など、3種類くらいの高低差のパターンがあるようで、そんな部屋が交互になっているようです。

ちょっと文章だとわかりずらいですけど。

 

階段の上り下りが苦手な高齢者の方などが宿泊する際は、螺旋階段ではないタイプのフラットな方の部屋を希望すると、予め伝えておいた方がいいかもしれないですね。

 

mini2014-07-27 16.40.46

部屋の家具などはどこまでが渡辺力さんのデザインなのかが僕には分かりませんでした。

全部なんですかね。モヤモヤするので聞いておけばよかったです。

 

mini2014-07-27 17.06.17

 

こちらは渡辺力さんの名作「リキロッカー」です。座り心地抜群。枕のような頭部にあるクッションがかなり良かったです。

こちらは1981年、軽井沢プリンスホテルのラウンジ用に制作されたようです。

mini2014-07-27 16.40.54

かなりシンプルですが、美し曲面だと思います。

この建物も、この椅子や家具などもバブル時代に作られたものにしてはとてもシンプルで洗練された印象です。

渡辺力さん自身、禅に傾倒していた時代があったり、シェーカー家具にもかなり影響されているらしく、清貧な印象もそういった部分からきているのでしょうか。

 

mini2014-07-27 18.08.31

こういう清家さんの建築事務所が書いた、この建物の完成図スケッチみたいな物も飾ってありました。

欲しい、、。

 

mini2014-07-27 18.08.12

お宝。

mini2014-07-27 18.09.10

このホテルは部屋に向かうまでの間に左右に分かれる分岐がありますが、そこで西ウィングと東ウィングに分かれているそうです。

東ウィングは清家清さんと渡辺力さんの当時の考えを生かしているそうで、西ウィングはカラーコーディネイトにより、わりと斬新な色使いなど新しさをコンセプトにしているようです。

今回は西ウィングだったと思うのですが、その辺最初から知ってたら東ウィングの方が良かったな〜と思いました。

予約するときに言えば選べそうな気がしないでもないので、また機会があれば是非、東ウィングの注文を出してみようと思います。

 

こちらエルボスコの内側から外に出れる裏口のようなものがあり、野尻湖の斜面側に出て散歩が出来ます。

mini2014-07-28 10.24.09

短いコースと長いコースの2種類の遊歩道が作られています。

 

mini2014-07-27 17.55.18

長い方のコースは少々傾斜があるような場所もあり、靴のソールの形状によっては厳しい人もいるかもしれません。

 

ですが、野尻湖の湖畔まで出て行くことが出来ます。

この森がモサモサしているエリアからの野尻湖はちょっとレアな感じがしました。

mini2014-07-28 10.38.39

というような感じで、建築やプロダクトデザインなどに興味のある方はそういった目的だけでも楽しめること間違い無しなホテルです。

いわゆるバリバリのラグジュアリーなホテルという感じではありませんが、シンプルで品がよく、色々と考えが及んでいる良いホテルという印象を受けました。また行きたいですね。

 

野尻湖ホテル エルボスコ HP

 

ちなみに雪深い土地でもある為、12月〜3月までは冬期休業になるようです。

あと野尻湖第一弾で触れた野尻湖花火はこのホテルからは見えませんのでご注意を。

 

ちなみにちなみに、清家清さんが他に設計したプリンスホテル(ホテル)たち

・1982 軽井沢プリンスホテル(長野県)

・1984 水上高原プリンスホテル(群馬県)

・1988 新富良野プリンスホテル(北海道)

・1994 鎌倉プリンスホテル(神奈川県)

 

軽井沢と鎌倉は行ったので、あとは水上と新富良野のプリンスホテルに行ってみたいですね。

 

twelve 青木 健太朗