フィンランド旅行紀-Vol.4 三日目 前編 アルヴァ・アアルト スタジオ Alvar Aalto Museo (2016.12.26)

フィンランド旅行の件、まだ続いています。やっと更新できました。

 

2016.12.26 ボクシングデーです。

 

本日の予定はこちら。

フィンランドを代表する偉大な建築家、ALVAR AALTO アルヴァ・アアルトの建築設計事務所(STUDIO AALTO)と自邸を見学します。

 

アアルトは1976年に亡くなっていて、現在はアアルト財団が運営などをしているようです。

 

 

 

 

10:00くらいにホテルから出ました。

 

雨が降っていました。

この日は最高気温7℃、最低気温2℃との記録です。

 

ヘルシンキ中心部から、アアルト建築事務所(STUDIO AALTO) & 自邸へは少し離れているので、トラムで移動します。

ちなみにアアルト建築事務所(STUDIO AALTO) & 自邸の両方建物は徒歩圏内です。

 

とりあえずトラムのチケットを買いにヘルシンキ中央駅の方まで行きます。

 

チケット販売機。

 

画面の支払い方法を選んで黒いボタンを押します。

トラムのチケットは 2.70€です。

 

 

下記ヘルシンキ中心部のトラム路線図です。(下の方は切れていますが。)↑の赤い四角の部分を拡大↓

ヘルシンキ中心部から、STUDIO AALTO & 自邸へは、4番線のトラムに乗車します。

蛍光黄色で書いた線が、4番線トラムです。路線図、左にある停留所( Tiilimäki / Tegelbacken )が下車する停留所です。

 

4番線でも、乗る進行方向は Munkkiniemi / Munksnäs という方面です。(下記写真、右上の看板に表記あり。)

アアルト事務所や自邸があるエリアです。

反対方向に乗ってしまうと KATAJANOKKA (カタヤノッカ島)という地域に行ってしまうので気をつけて下さい。こちらはヘルシンキの新古典主義建築が建ち並ぶエリアだそうです。

 

ちなみにこの停留所は Aleksanterinkatu / Alexandersgatan という停留所です。トラムのアイコンの下に停留所名が書かれています。上記路線図で右側の丸が付いている場所です。

 

こちら停留所にあった路線図。上記の路線図より地図がリアルなので、少し違って見えます。

 

 

時間があったので、4番線トラム一個先の停留所であるYlioppilastalo / Studenthusetまで歩いてきました。ストックマンの前にある停留所ですね。

しばらく待つ。

 

 

4番線トラムがきました。Munkkiniemi / Munksnäs 方面に行くという表記があります。

 

トラムに乗っている時間は20分くらいでしょうか。

 

 

こちら Tiilimäki / Tegelbacken という停留所に到着しました。

ここは郊外なので4番トラムしかこないようです。バスのマークもあるのでバスの停留所でもあるようです。

アアルト事務所の住所はこちらになります。

Studio Aalto

Tiilimaki 20
FIN-00330 Helsinki
Finland

 

こちら上空からの図です。行き方を簡易的に作成してみました。

 

Tiilimäkiという停留所の名前でもありますが、STUDIO AALTOへの通りの名前も Tiilimäkiです。

というわけで、少し坂になっている方へ進みます。

 

なんだか閑静な高級住宅街という感じ。別荘っぽさもあります。

 

しばらく歩くと、見えてきました白い建物。

 

 

 

 

 

看板がありました。到着!

僕は20歳くらいの時にイームズなどのミッドセンチュリー家具などに憧れを持ち、その流れで北欧デザインの巨匠アルヴァ アアルトを知りましたが、まさか実際にこの場所に来られるとは人生何が起こるかわかりません。

 

少なからず時間の経過を感じる雰囲気です。

 

 

 

 

こちらSTUDIO AALTOの情報

ガイドツアーは火曜から土曜まで

11:30〜

事前の予約は必要ありません。こちらのStudioのみだと17€です。

 

 

 

ランのような植物が置いてありました。アアルトは植物が好きなようなので、この先もどこかで植物が見られたらいいなと思いました。

 

 

別のドア。

 

こちらは食堂のドア。小さな棚があるのは従業員の喫煙スペースでしょうか。

 

こちらは裏側。事務所の中庭につながっています。

時間になり、ついに入れました。

 

ちなみにこちらがその時のレシート。

アアルト事務所(Studio)と自邸(House)のセット料金で、一人あたり30€ です。

 

日本人のスタッフの方がいて、運良く日本語でガイドをしていただけることになりました。

英語のガイドツアーだったら内容があまり理解できなそうなので、ラッキーでした。

ちなみに、いつでも日本人のスタッフの方がいるわけではないようです。

 

 

こちらのビニール袋を着用します。

 

クロークのような場所もあり上着をかけたりできます。

 

 

二階へ続く階段の前には、車付きのティーワゴン「ティートロリー901」が置いてありました。だいぶ年季が入っていそうです。

これは日本で買うと25万〜30万くらいするみたいです。簡単にパッと買えるものではないですね。

 

 

いざ二階へ。

手すりもなんかアアルト的なフォルムです。↓

 

この二階は今でも建築事務所として使われていて、実際にスタッフの方々が数人働いていました。

 

 

スタッフの方の作業スペースは立ち入り禁止です。

レトロな雰囲気のかっこいいポスター

 

模型などが展示されていました。

Aalto-Hochhaus という1958年 ドイツ ブレーメンに建てられた22階建のアパートメントハウスの模型っぽいですね。

Aalto-Hochhaus画像検索

 

この辺はわかりません。

 

 

↓これは曰く付きのアイテムです。

しかしその肝心の曰くを忘れてしまいました。これだからこういうのは早くまとめないとダメですね。

その曰くをなんとか思い出してみましたが、こんな感じではなかったでしょうか。

アアルトの彫刻として競売にかけられて高値がついたが、のちにアアルトがデザインした公共の地下鉄の手すりだったことが判明したというエピソード。

↓下記写真の地下鉄の入り口から引っこ抜いたパーツだったと思います。写真左下の四角く陥没していて黄色い飲み物のゴミが置かれている箇所から引っこ抜いたようです。

 

 

 

 

こちらのかまぼこ状のタイルは1956年にアアルトが手がけたフィンランド国民年金協会(ヘルシンキ)の壁面に使用されたタイルです。

 

このような感じで並べてセメントに埋め込まれています。

 

 

しかも、このかまぼこタイル

アラビア製

 

しかも、なんとこのかまぼこタイルはミュージアムショップで販売されています。

レプリカではない、実際に壁面に埋め込まれていたものを解体した廃材が販売されています。

これはかなりコレクション欲を刺激されます。後述します。

 

石材の見本。

 

こちらのフロアランプは「A805」というモデルっぽいですね。

日本での販売は終了しているようですが、1000€以上するみたいです。

 

 

「A440」 という型番のペンダントランプ。かなりシンプルですが可愛いですね。↓

 

 

もはやこういう図面入れだけでもオシャレ。

 

 

 

一階に戻り、奥の広々としたスペースに来ました。

こちらには椅子やランプが展示してあります。

先ほどの中庭に出られる扉。

 

こちらの中庭はギリシャの円形劇場がイメージされているようで、同時に、過去を象徴しているそうです。

講義などでも使われたようです。

この場での議論から色々なアイデアが生み出されたのではないでしょうか。

 

無造作に置かれた高級椅子たち。

 

 

高級ランプたち。

 

 

↓こちらには民芸品のようなザル風の道具が置いてありました。

 

 

 

 

アアルトといえばこのスツール60です。(椅子の全体像の写真がないですが…)

丸い座面に3本の足という、今ではありふれたスツールの形の元のデザインになったものです。

そのスツール60の真髄とも言えるLレッグ。別名 アアルト レッグ。

 

↓Lレッグはスリットを5本入れます。この部分は伝統的な挽き曲げという技法を応用して考案されたそうです。

 

スリットのその間に接着剤を入れつつラメラという薄い木片を挟み込みます。

 

そして加熱して曲げます。

 

ヤスリで磨いて完成。

このLレッグの方法で曲げると、単純にこの形状に木材を切り出すよりも、耐久性がアップします。

 

1933年に発表されたスツール60。

ヴィープリ図書館 (現ロシア領ヴィボルグ) のためにデザインされました。

当時のモダンデザインにおいては強度の面からもスチール素材が新技術として流行っていたようですが、このスリットを入れて木材を曲げるLレッグの技法により、スチールにも劣らない強度を実現できたそうです。

また、サナトリウム (結核患者などの療養所) などの設計も請け負ったアアルトは冷たい金属よりも、ぬくもりのある木材を使うことにこだわったようです。

膨大な森林面積を有するフィンランドにおいて、木材は豊富な資源であるということに注目したのも合理的です。

樺などの木は当時の家具材として使われるには堅牢さが足りなかったようですが、Lレッグの技法によりその強度も補えたようです。

スツール60は1枚の座面、3本のLレッグ、それを止める9本のネジのみで構成されたミニマルなデザインなので量産性もあり、かつ丈夫で、さらにスタッキングもできるなど、すごい椅子なのです。

 

スツール60が偉大なことはなんとなく知っていましたが、フィンランドに来てその辺のことを詳しく知り、改めて感動しました。

そして、このLレッグが使われている何かが欲しくなりました。

 

Lレッグが完成した当時、アアルトはその強度を確かめ、この椅子は何千と売れるぞ!と確信したそうです。実際に発売直後、生産が追いつかないほど売れに売れたようで、現在では何千どころか800万脚以上が販売されているようです。

 

こちらはL-レッグではなく、X-レッグ。↓

Lレッグが幾つも連なっているような形状です。

こちらはYレッグ。↓

 

またしてもアアルトの代表作 アームチェア41・Paimio  ↓

パイミオにあるサナトリウムのためにデザインされた椅子。50万円くらいします。

黒い座面の部分も木です。ラメラという曲げ木の技法により作られています。薄く切った木材を何枚も重ねて曲げられているようです。成型合板の元祖みたいな感じです。

↓座面が編まれた椅子。

 

↑集合写真。手前左の女性はアアルトの最初の妻であるアイノ・アアルトさんです。

 

 

 

 

アルヴァ・アアルト 大先生 ↓

 

壁を這う植物を発見しました。

 

ガイドの方によると、アアルトは壁を這う蔓植物が好きだったとのことです。

確かに建物の印象をガラリと変えてくれます。

 

 

↓これは建物の外壁です。この枯れているように見える植物も暖かい季節になると緑になるそうです。

 

 

 

こちらはタベルナという社員食堂。

タベルナ (タヴェルナ taverna)とはイタリア語で大衆食堂というような意味だそうです。

それにしても食堂なのにタベルナというのは、日本語で考えるとくだらないダジャレみたいですよね。

赤いギンガムチェックもどこかイタリアっぽいです。

アアルトの有名なテキスタイルであるSIENA(シエナ)もイタリアの地名から取られていますし、アアルトはイタリアに憧れを持っていたようです。

 

アマリリスでしょうか?ギンガムチェックと色も合っていて、控えめで可愛らしいです。

 

光を柔らかくする工夫がされています。

こちら両開きの引き出し。

押し込むと逆側から飛び出ます。

 

スプーンやフォークなどを洗って、調理場側からそのまま収納できます。

 

普通のコーヒーを淹れる器具もありましたが、マキネッタもありました。イタリア好きなアアルトはエスプレッソも好きだったのでしょうか。

 

↓アアルトベース(アアルトデザインの花瓶)を上から見たフォルムのポスター。もともとこのフォルムはフィンランドの湖の形からデザインされているようですが、どこの湖なんでしょう。調べてもわかりませんでした。

 

 

 

 

ここはミュージアムショップのような、様々な関連グッズが販売されている一室。

 

書籍やポストカード、ポスターなど。

artekから発売されている文房具などの小物類。

ヘルシンキの市街にあるartekでも買えるものも多く、artekで取り扱いがある商品はそちらで買った方が免税もできるのでお得だそうです。

どの商品がartekで取り扱われているかは、スタッフの方が教えてくれると思います。

 

スツール60も売ってます。梱包がこんなにコンパクトになるのはさすが。

 

そして、発見しました。

スタジオ内の展示スペースにあった、フィンランド国民年金協会のかまぼこタイル。

1本 20€ なり。個人的にはかなり安いと思いました。(逆に言えば他のグッズの値段が高い)

興味がない人にとってはただの建築廃材ですが、僕がこのかまぼこタイルに激しく惹かれた理由は、当時のアアルト建築に実際に使用されていたものという事です。

部分的な欠けなどの個体差もあり、裏側はそのままコンクリートが残っているので、見た目よりも重いです。

マニアックなお土産としてもいいなと思い、2、3本買って行きたかったですが、帰りの空港で積載量オーバーになったので、この時1本にしておいて良かったです。

 

ちなみに展示されているかまぼこタイルにはアラビアのロゴが入っていましたが、販売されているものには入っていませんでした。入っているものと入っていないものがあるのでしょうか。

何れにしてもアラビアで製造されたものです。最近のアラビア製品はタイランド製に切り替わってきていますが、こちらは正真正銘メイド イン フィンランド。

 

オブジェとしてもいいですし、それなりに重いのでペーパーウェイトとしても使えるかもしれません。

 

 

というわけでアアルトスタジオを存分に堪能しました。

 

写真が多くてすみません。これでもかなり減らしたつもりです。

 

裏庭から夕日を望む。

 

コケすらもなんだかオシャレに見えてきます。

 

アアルトが好きな方は是非一度、訪れて下さい。

 

 

 

3日目前半 まとめ

 

・アアルトスタジオ & 自邸へは、4番線のトラムで行く

・アアルトスタジオへは Tiilimäki / Tegelbacken という停留所で下車

・停留所を起点にアアルトスタジオとアアルト自邸は反対方向にある

・ガイドツアーは火曜から土曜まで

・運良く日本人のスタッフがいれば日本語ガイドツアーも可能

・入場できる時間は 11:30〜 (事前の予約は必要なし)

・Studioのみ見学だと17€ (自邸の方は13€)

アアルトスタジオ住所は Tiilimaki 20  FIN-00330 Helsinki  Finland.

・アアルトレッグの発明は偉大

・激レア アラビア謹製のかまぼこタイルが手に入る

 

 

というわけで、長い記事にお付き合いいただきありがとうございます。

 

次はアアルトの自邸です。

 

このフィンランド紀行はまだ半分にも達していません。

 

2019年にならないように気をつけます。

 

twelve 青木 健太朗

 

※文中でStudio Aalto、アアルトスタジオ、アアルト事務所などいろいろ呼び方が変わっていますが、全部同じですので悪しからず。