インディアンジュエリー Perry Shortyなど

最近、植物の興味が強まっていましたが、今回はこちらです。

 

3年前くらいから突入した、インディアンジュエリーの世界です。

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※タイトルはPerry Shortyですが、全部Perryの作品というわけではありません。

 

インディアンジュエリーはネイティブアメリカンの方々が作る、主にシルバーを素材に用いたアクセサリーです。ターコイズなんかも多用されます。

技術などのルーツはスペインの文化から来ているようですが、詳しくは1850年頃に、アメリカ南西部にやって来たメキシコ人の鍛冶屋が、ナバホ族のアツィディ サニという人物に銀の使い方を教えたのが始まりとなっているようです。

このくだりはターコイズ2 大地の贈り物にもっと詳しく書いてあります。

 

3年よりもっと以前から興味はありつつも、何を買っていいのかわからないというか、きっかけがつかめないような状態でしたが、一度足を踏み入れると一気に虜になりました。

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きっかけはアパレルの先輩からのオススメで恵比寿のGOD TRADINGさんに行ったことです。

そこで色々な事を教えてもらいました。一番最初に購入したのはナバホ族のRay Adakai (レイ アダカイ)の細めのバングルです。セレクトショップなどでも購入可能な比較的若手なアーティストでした。

※アーティスト名のリンクはGoogleの画像検索のURLをのせていますので、関係の無い画像が引っかかって出る場合があります。

細いバングルを一本だけつけていると、腕が寂しかったので、すぐに次が欲しくなりました。最初は割とリーズナブルなもので物量作戦に出ていましたが、やはりたくさん見ていると、所有していなかったときよりも作品の善し悪しが分かってくるようになり、徐々に物欲は凝った内容のものへと。

(同じような写真の連続ですみません。今まで気が向いた時に写真を撮ったりしていました。)

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僕が一番好きなのはナバホ族の巨匠 Perry Shorty (ペリーショーティー) です。

とても有名なエピソードと言うか、ペリーの一番の特徴みたいな感じですが、それはコインシルバーというものです。

今からちょうど100年前くらいにアメリカで使用されていたバーバーコインという古銭を溶かして、素材として使用しているようです。

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↑Barber Coin

バングルの場合、インゴット状に平たく溶かしたコインシルバーが完全に固まらないうちにタガネでスタンプをしたり、リポウズという裏から打ち出して立体感をだす技法などを施した後に、最終的に腕の形に丸く曲げていくようです。

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シルバーの92.5%よりも純度が下がるので、硬くなり加工が難しくなるそうです。

ペリーの作品でも、コインシルバーのものと、スターリングシルバーのものがありますが、工程が複雑な物はスターリングシルバーになる傾向なんでしょうか。

石付きの物なんかはだいたいスターリングシルバーですね。ただコインの方が希少価値があります。

僕は今のところペリーの作品はコインシルバーのみに絞っています。

 

ペリーは年間に作る本数もあまり多くないようで、作家本人が販売するときも一人一点しか購入できない。とマライカのHPのPerry Shortyの項に書いてありました。そのままの情報ですみません。笑

 

ナバホはタガネをハンマーでたたいて模様を刻むチゼルワークなどが代表的な技法ですが、巨匠など凝った作家さんになると、既製品の道具は使わず、タガネ自体も手作りだったり、家の柱に刺さっている釘なんかを道具として使ったり、なんなら電気を使わない昔の作り方にこだわって作る方もいらっしゃるとか。なんかで読んだような気がします。

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↑下の布はエルメスのカチナがモチーフのカレです。(スカーフ)

カチナはホピ族の精霊です。

雲を呼び雨を降らしてくれるなど、作物が育ちづらい土地での自然信仰の神様のような存在です。日本の八百万の神様にもなんか通ずる所があるような。

エルメスはこういうマニアックな柄を作るところが好きです。洗練された物からなんとなく泥臭い物までみたいな。泥臭い方も充分洗練されていますが。

余談、というかインディアンジュエリー全然関係ありませんが、エルメスのエスプリ アイヌ(ESPRIT AINOU) というのも高好感度カレです。僕的にですが。(意味はアイヌの精神(魂)みたいな感じです)

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アイヌ文様ファンとしてはたまらないですね。こういうところも↓

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逸れましたが、ホピですとVictor Coochwytewa(ヴィクター クーチュワイテワ)というかなりややこしい名前ですが、アリゾナのナショナルトレジャー(人間国宝みたいなもの?)という大巨匠も、友人の紹介で好きになりました。

オーバーレイというホピの得意とする技法のバングルを買いました。ホピのデザインはなんとなく優しくおだやかな感じのものが多いように感じます。

この方はスターブロワーズ「天国で星を作る人」という神様?精霊?のようなモチーフが有名です。↓(※僕のではありません)

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Victor氏は2011年に鬼籍に入られました。

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↑写真の作家は、Perry Shorty、Victor Coochwytewa以外では、ナバホ族のCalvin Martinez(カルビン マルチネス)Marco Begaye(マルコ ビゲイ)、コチティ族のCippy Crazyhorse(シッピー クレイジーホース)などがあります。おそらく、詳しい方であれば、作品を見ただけで誰の物かってだいたい分かると思います。

一時期、自分的に少し増えすぎた感があり、着けないものは全然着けなくなってきてしまったので、少し整理する方向になりました。

 

ホピやズニにも惹かれない事は無いんですが、今のところ結局ナバホが一番好きです。

ちなみに熊の白いフェティッシュはClaudia Peina(クラウディア ペイナ)という作家の物です。

女性の方で主にフェティッシュを専門に作っているようです。彼女の作るクマはとてもかわいらしいです。フェティッシュは主に石が使われるようですが、こちらの白い素材は鹿の角です。(石ももちろんある)↓クラウディア氏の熊たち(Google画像検索)

Claudia Peina

フェティッシュのクマには「精神的な旅」というような意味があったような。

 

ターコイズにも色々なグレードがあり、僕が持っている物にはブルージェムと、イサカピーク(キングマン鉱山)あたりですが、もっと細かいスパイダーウェブが入ったようなビズビーとかナンバーエイトとかもいつか良い出会いがありましたら欲しいです。

Bisbee (※もちろん僕のではありません)

BISBEE

ペリー ショーティーの作品は一番好きではありますが、現役のトップアーティスト McKee Platero (マッキー プラテロ)の作品もどうしても気になってきます。

マッキー買えたら他のインディアンジュエリーはもう買う必要がなくなってしまうかもとか。

 

あと神様 Charles Loloma (チャールズ ロロマ)も欲しいです。

アクセサリーというより完全に芸術品ですね。

欲しいなんて言うだけでなんだかバチが当たりそうなので、写真集を眺めて我慢しようと思います。

 

結局は物欲の話でした。

 

twelve 青木 健太朗